みことばの糧1228

『誕生の預言の恵み』

ルカによる福音書1:5~17
祭司ザカリアへの救い主降誕の御告げに学びます。ルカ福音書は、テオフィロ(文語訳、口語訳では閣下付き)というローマ帝国の高官に献呈し、救い主キリストを証するために記されています。そのために「すべての事を初めから詳しく調べ」、「順序正しく書」くことに努めています。
祭司ザカリアと妻エリサベト、バプテスマのヨハネの誕生についても入念な調査、聞き取りが行われたものと思われます。
祭司は24組に編成され、年に2回、1週間ずつ神殿祭儀に仕えることになっていました。
その中でも「主の聖所に入って香を焚く」ことは「くじ」によることでもあり、約2万人いた祭司の中には一生に一度も巡ってこない祭司も大勢いました。
ザカリアがその務めに就いた時、「神の前に立つ」ことができる天使ガブリエルが現れ、「ヨハネ」の誕生を告げ知らせました。しかし、ザカリアは「不安、恐怖の念に襲われ」、自分たち夫婦が高齢であった故に「しるし」を求めました。
これに対して天使ガブリエルは、「あなたは口が利けなくなり、この事が起こる日まで話すことができなくなる。時がくれば実現するわたしの言葉を信じなかったからである」と答えました。
「口が利けなくなる」とは、主の大いなる御救いの御計画にあって、人はただ信じるのみ、たとえ「香を焚く」祭儀を担う祭司であっても、ただ信じ従うのみであることが示されます。
妻エリサベトは懐妊し、天使の御告げは成就しました。かつて主がアブラハムとサラに告げられた祝福が成就しようとしているのです!すべての人が主の祝福に入っていくようになる。大いなる喜びですが、そのためには「イサクの奉献」が求められたように、ヨハネもまた救いの御業のために献げられねばなりませんでした。
イサクには代わりの「雄羊」が備えられましたが、「エリヤの霊と力で主(イエス・キリスト)に先立って行」くヨハネは最も後なる者、殉教者となりました。さらに、神の子イエス・キリストは十字架に献げられる者となられました。
すべて私たちの救いのためです。これら預言の成就によって私たちに永遠の命が与えられました。心からの感謝をもって自らを捧げ、救い主降誕の預言を告げ知らせて参りましょう。 ハレルヤ!

中島 聡牧師