みことばの糧1260

『主の選びによる回心』

使徒言行録9:1~12
 使徒言行録は聖霊行伝です。聖霊によって教会が誕生し、聖霊によって福音が地中海世界にもたらされることになりました。聖霊は「給食係」であったステファノ、フィリポを通して救いの御業を広げてくださいました。弟子たちも大いに刺激され、ペトロとヨハネもサマリア伝道に向かい、サマリアの人々にも聖霊の恵みがあるように按手し、主の御救いを告げ知らせることとなりました。
 聖霊の力によって、福音はユダヤとサマリア、そしてエチオピアに告げ知らされ、さらに「キリストの迫害者」サウロ(のちパウロ)によって地中海世界に拡大することになりました。
 もちろん十二使徒の働きは大いなるものですが、すべては聖霊の力です。特に給食係、迫害者が用いられるというところが、人知を超えた聖霊を信じることの大切さを教えているのです。
 しかし、これは聖霊が特異なのではなく、父なる神、子なる神キリスト、ずっとそうだったのです。父なる神は、全く無名、無きに等しい者アブラハムを選び、祝福の基として用いられました。キリストは、当時、「罪人」と見なされていた徴税人、また漁師を弟子として選び、「あらゆる悪霊に打ち勝ち、病気をいやす力と権能をお授けに」(ルカ9:1)なりました。
 三位一体の神は、一度たりとも、一切ぶれることなく、私たちに良い贈り物、完全な賜物を与えて、私たちを救いに導き祝福してくださるのです(「良い贈り物、完全な賜物はみな、上から、光の源である御父から来るのです。御父には、移り変わりも、天体の動きにつれて生ずる陰もありません。」ヤコブ1:17)。
初代教会のメンバーは最初、迫害者サウロの回心について、「うろたえ」、「恐れ」(9:22,26)、受け入れることができませんでした。無理もないと思いますが、そもそも自分たちがどのような状態から救われたのかを思い出せば、「共に福音伝道に仕えましょう!」と言えるのです。
わたしたちは皆、主によって選ばれ、愛されているのです。教会、福音は、聖霊によるならば必ず祝福され、広がっていくのです。主の選びと愛に感謝し、また新たな福音伝道に仕えて参りましょう。ハレルヤ! 中島 聡牧師