『家族の救いを喜ぶ主』
使徒言行録16:25~34
パウロの第2回宣教旅行では、当初アジアでの宣教を計画していましたが、聖霊によって道が閉ざされ、幻を通してマケドニアへの導きを受けます。神のご計画は人の思いを超えて働き、パウロはルカらと共にフィリピへ渡ります。祈りの場で出会ったリディアとその家族がヨーロッパで最初の洗礼者となり、教会の基礎が築かれました。
しかし、宣教は順調ではなく、占いの霊に取り憑かれた女奴隷から悪霊を追い出したことによって、パウロとシラスは逮捕されます。牢獄でも彼らは賛美を捧げ、その姿に一緒にいた囚人たちも心を動かされていきました。そして、地震によって牢が開いても囚人たちは逃げず、看守はその姿に心を打たれ、家族と共に救いに導かれました。主イエスへの信仰が真の自由と救いをもたらすことが示されたからです。
この出来事は、神の導きが困難の中にも確かに働いていることを教えています。パウロは計画外のマケドニアへ導かれ、言語や文化の壁を越えて福音を伝えました。フィリピで救われた人々の喜びが家族へ、そして周囲へと広がり、教会が成長していきました。
私たちも祈りがすぐに聞かれないと感じることがありますが、神のご計画は常に最善であり、信仰と喜びをもって歩むことが大切です。救いの喜びに生きることが福音の力であり、それが家族や他者の救いへとつながっていくのです。
田中尚美牧師