みことばの糧1283

『全世界への救い』

マタイによる福音書2:1-12
 イエス様がお生まれになった時、東方から占星術の学者たちがやって来て、先ずヘロデ王(治世BC37~AD4)に謁見したとあります。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」
 ローマの絶対的な力は別にして、当時ユダヤ地方を治めていたのはヘロデだったので、彼は不安を抱き、「祭司長たちや律法学者を皆集めて、『メシアはどこに生まれることになっているのか』」と問いただした」とあります。
すると、彼らはミカ書(5:1)を見い出し、「それはベツレヘムです」と答えたのでした。
すると、ヘロデは占星術の学者たちを“ひそかに”呼び寄せ、「その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言いました。
ヘロデはエドム人でしたがユダヤ教を大変重んじていました。彼はエルサレム神殿の大改修工事や、ユダヤ人のための港湾、要塞の建築など大事業を成し遂げたのですが、猜疑心がとても強く、家族すらもその犠牲になっていました。そして、この時、ヘロデは新しい王、「幼な子」の殺害を決意していたのでした。
学者たちは夢で「ヘロデのところへ帰るな」とお告げを受けたので、別の道を通って自国に戻り、ヨセフとマリアもイエス様を連れてエジプトに逃亡し、難を逃れることができました。
エドム人とは、ヤコブの双子の兄エサウの子孫です。かつてエサウもヤコブを殺害しようとしましたが、ヤコブはハランに逃亡して難を逃れました。
聖書によれば、祝福の基となる者、祝福の継承者はいつも艱難試練に遭います。楽な人生を歩んだ人は一人もいません。しかし、彼、彼女たちは必ず主に信頼し、主による祝福を受け継いでいきます。
 救い主イエス・キリストも、命の危機を乗り越え、そして、最期は信仰によって自らを十字架に献げてくださいました。「お言葉どおりこの身になりますように」、「あなたの御心が行われますように」。私たちも信仰によってクリスマスのよきおとずれを宣べ伝え、主の祝福を受け継いでいくことができますように。ハレルヤ!

中島 聡牧師

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