みことばの糧1242

『主の平安を与える賛美』

サムエル記上16:14~23
 主は、サムエルの言葉に従わず、兵士の声に耳を傾けたサウル王を「王位から退け」られました。そして、サムエルに「エッサイの息子たちの中に王となるべき者を見いだした」と告げられました。
サムエルがエッサイのところに行き、会食を共にする中で次々と七人の息子たちが連れて来られましたが、それらの中には主が見いだされた新たな王はいませんでした。次の王に選ばれたのは、まだ会食に呼ばれない、跡継ぎの一人として認められていなかった少年ダビデでした。
 誰もが信じられなかったことでしょうが、主が「立って彼に油を注ぎなさい。これがその人だ」と言われたので、サムエルはただ主に従ってダビデに油を注ぎました。ここに新しい王が誕生したのです。
 そうすると、サウル王は悪霊にさいなまされるようになりました。悪霊に苦しむサウル王を癒すために家臣、従者から推薦されたのは、なんとその少年ダビデでした。上述の通り、ダビデはすでにサムエルから油注がれ、次の王として選ばれており、「主の霊が激しく降るようになって」いました(同上16:13)。しかし、最初に与えられた任務は、サウル王の悪霊による苦しみを癒してあげることだったのです。ここに聖書的王の姿が示されています。
サウル王を苦しめたのは、「主から来る悪霊」とあります。主から悪霊が来るとは一見、奇異な印象ですが、悪魔が義人ヨブのもとに行くことを許可したのは主であり、出エジプトにおいてファラオの心をかたくなにしたのも主とあります。また悪魔の誘惑を受けさせるためにイエス様を荒野に導いたのは「“霊”」とあります(マタイ4:1、マルコ1:12、ルカ4:1)。 
サウルは何度も何度も主に助けられながらも最後、口寄せに縋ってしまい、滅びの末路を迎えました。ヨブは最後の最後には、「自分を退け、悔い改めます」(ヨブ記42:6)と主に従い、大いに祝福されました。イエス様は悪魔のすべての誘惑を退け、私たちを祝福してくださるのです。信仰者は徹底的に主の御声に聴き従い、さいなまされる時こそ、主に信頼し、讃美に癒され、福音に仕えていくことができるのです。ハレルヤ!

中島 聡牧師