みことばの糧1256

『聖霊による癒し』

使徒言行録4:1~10

 先週、ペンテコステを迎え、使徒たちが聖霊を受け、宣教へと押し出されたことを改めて心に留めました。使徒言行録3章では、ペトロとヨハネが神殿に向かう途中で足の不自由な男を癒した場面が描かれています。ペトロは「金や銀はないが、イエス・キリストの名によって立ち上がり、歩きなさい」と言い、その男を癒しました。この場面は物質的なものではなく、イエス様によってのみ本当の癒しと救いがもたらされることを示しています。足の不自由な男は、これまで施しを受けることで生きてきましたが、イエス様を通して真の命を得て、希望に満ちた新しい人生を歩み始めました。
 この男の変化に驚いた多くの人々がイエス様の死と復活を信じ、5000人もの人々が信仰に立ち帰りました。しかし、この出来事はユダヤ教の指導者たちにとっては脅威となり、ペトロとヨハネは捕らえられました。彼らが教えていたのは、イエス様こそが救い主であり、新しい契約のもとで神の命と愛が与えられるというメッセージでした。ユダヤ教の指導者たちは、自らの権力が脅かされることを恐れて、彼らを迫害しました。
 私たちもペトロやヨハネのように信仰を公に示すことが求められています。信仰を持ち、福音を宣べ伝えることは容易ではありません。最近、高校で中村哲さんの話をしました。彼は砂漠に水を引き、人々の生活を変えましたが、その道のりは非常に地道で辛いものでした。しかし、最後に彼は命の水を流し込み、地元の人々に新しい希望を与えました。私たちの役割も、主の福音を地道に伝えていくことです。何も持たない私たちでも、聖霊の力によって神の救いを伝えることができるのです。私たちの祈りが神の御心に一致するならば、神は私たちに力を与え、聖霊によって福音を堂々と語ることができるように助けてくださいます。

田中尚美牧師