みことばの糧1257

『苦難を越える力』

 使徒言行録5:17~26
 ペンテコステ以来、使徒達は聖霊の力によって多くの業を行いました。神殿に集って礼拝を献げ、共に祈りを合わせ、主イエスが救い主だと力強く伝えていました。
 さらに、主イエスの名による病気の癒し、奇跡が行われ、すべての人が癒されました。そのような働きによって、信じて教会に加わる人は増えていきました。
 それに恐れを抱いたのは、宗教指導者達です。彼らはかつて主イエスを十字架にかけようとしたり、ペトロ達を捕まえて「主イエスを伝えることをやめるように」と脅したりしていました。
 それでも主イエスを信じる人がますます増えているので恐れを感じたのでしょう。今度は、ペトロと他の教会のリーダー達を捕まえて牢屋に入れてしまいました。
 その夜、彼らが入れられていた牢屋の扉が突然開きました。天使は、「行って神殿の境内に立ち、この命の言葉を残らず民衆に告げなさい」(使徒5:20)と語ります。その言葉通り弟子たちは出て行き、福音を語りました。
 すると再び、指導者達が弟子たちを捕まえて、イエスの教えをこれ以上広めないように、と厳しく命令しました。
 しかし使徒達は「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません」(使徒5:29)と答え、福音を伝えることをやめませんでした。どんな人に命令されたとしても、私達は神さまの命令に従います、と答えたのです。
 使徒達は変えられました。かつては人を恐れ、誰が一番偉いかを議論し、主イエスの十字架の時には皆恐れて逃げてしまいました。
 しかし彼らは「人間に従うよりも、神に従わなくてはなりません」と恐れずに語るのです。そんなふうに答えたら、もしかするとまた牢屋に入れられてしまうかも知れませんし、あるいは主イエスと同じように、十字架にかけられてしまうかも知れません。
 それでも恐れることなく弟子たちがはっきりと「神さまに従う」と答えることができたのは、聖霊の力を受けていたからです。聖霊によって与えられる力がどれほど大きいか、弟子たちの変化から知ることができます。私たちも聖霊を受けて、神さまに従う弟子たちのようになりたいと願います。ハレルヤ!

片平貴宣牧師