『真の神を告げ知らせる』
列王記上18:16~24
預言者エリヤがバアルの預言者850人と対決し、勝利を得る場面です。当時、干ばつで雨が降らず、作物も穫れませんでした。そのため、雨が降るように、とアハブ王は願っていたのですが、雨を降らすのは神さまの働きであり、結局3年半にわたって雨は降らず、飢饉が続いていました。
再びエリヤに神さまの言葉が臨み、雨を降らせる時が来たとアハブに告げよ、と命じます。そして、偶像に頼っていた人々の心を真の神さまに向けるため、対決が行われたのです。
その方法は、献げ物の牛を祭壇に載せ、天からの火を降らせて焼いた方が真の神さまだ、と決まりました。これは圧倒的にバアル側が有利な条件です。バアルとは豊穣神であり、天候を司る力を持ち、その象徴として手に稲妻を持つ姿で描かれます。
まず、バアルの預言者達が献げものをし、祈りました。熱心に何度も何度も祈りましたが、何も起こりませんでした。
次はエリヤの番です。祭壇を造り牛を載せ、さらにはその上に水を注ぎかけました。それも一度ならず、二度三度と注ぎかけたのです。そしてエリヤは祈りました。すると、天から火が降って、祭壇は炎に包まれました。
この対決した両者には、大きな違いがありました。それは、真に頼るべきお方に頼ったかどうかです。そして、その信頼を表すのが「祈り」でありました。
バアルの預言者達も祈った、と記されます。確かに彼らも求め祈りました。彼らもバアルを信じていたからです。
けれども決定的な違いは、その祈りに答えがあるか否かでした。残念ながら、単なる偶像であるバアルは、預言者達の祈りに答える力はありませんでした。それに対し主なる神さまは、確かに祈りを聞き、それに答えてくださるお方です。エリヤの祈りに火をもって答えてくださったのです。
そのような真の信仰を持って歩んだエリヤは、預言者を代表する者として、栄光の主イエスと語らう幸いに与りました。主イエスの変貌の出来事(マタイ17章等)において、律法を代表する存在であるモーセと共に現れ、主イエスと語らった、とあります。
私たちも、真の神さまを私の神さまとして仰ぐならば、たとえエリヤのようにたった一人だったとしても、真の神さまが助けてくださいます。私たちも「主こそ神です」と告白をして歩みましょう。ハレルヤ!
片平貴宣牧師