みことばの糧1269

『主の救いは万人へ』

ヨナ書2:1~11 
 旧約聖書は選民思想の色が濃いすぎると言われますが、ヨナ書から、主がどれほど万人の救いを願っておられるかを学びます。
 預言者ヨナは忠義な僕ではありませんでした。「大いなる都ニネベ」に悔い改めの預言を託されましたが、ニネベの悪しき噂を聞いていたヨナは「主から逃れようとして」、反対方向のタルシシュ行きの船に乗り込みました。
 すると海は大しけとなったのですがヨナは知らぬ存ぜずで通しました。しかし、いよいよ船が沈没の危機に瀕し、「人柱」を選ぶくじに当たった時、ようやくヨナは預言者魂を発揮して「わたしを海に放り込んでくれ」と言ったのでした。
 主は、このヨナの回心をご覧になって大魚を遣わし、ヨナをその腹の中に入れ助けられました。ヨナは三日三晩、主に悔い改めの祈りを捧げ、ニネベに向かうことができる浜辺に打ち上げられたのでした。
 命を救ってもらったヨナは決死の覚悟で悪評高いニネベ
で「このままではこの都は滅びる」と預言しました。すると噂とは違ってニネベの王も大臣も、都に断食を布告するまで大いに悔い改めたのでした。
 そこで主はニネベを助けることにされましたが、ヨナはこの主の慈悲、主の寛大さに不平不満を露わにし、「死んだ方がましだ」と言い放ったのでした。
 主はヨナを悟らせるために日よけの「とうごまの木」を
与え、翌日にそれを枯らしました。主はとうごまの木を惜しむヨナに、「では、なぜニネベの十二万人以上の人たちの命を惜しむことができないのか」と教え導いてくださったのでした。
 聖書は全巻を通して読めば、他者の命を軽んじるかのような選民思想、選民主義が決して主の御心ではないことがよく分かります。
 主の御心は万人の救い。口で言うのは簡単ですが、実現は至難の業です。しかし、信じて、祈り続け、福音に仕えていくのです。「実に、すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。…また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。」(テトス2:11、13)主の福音に仕えて参りましょう。

ハレルヤ!中島聡牧師