『聖霊による降誕』
ルカによる福音書1:26~38
アドベント第2週となり、クランツのキャンドルも2本目が灯されました。本日は「マリアの賛歌」あるいは「マグニフィカト」と呼ばれる箇所です。
天使はマリアに「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」(ルカ1:28)と告げました。これは聖書のほかの言葉で言えば「インマヌエル」(マタイ1:23)です。
マリアにとってはこの言葉は、文字通り「救い主である主イエスがあなたと共に生活をする」という事でもあったでしょう。その身に主イエスを宿し、その手で育て、主イエスが宣教を開始されるまで、共にいたわけです。
しかし、「主が共にいる」からとて、マリアとヨセフの歩みが平穏無事であったかというと、決してそうは言えないでしょう。
ユダヤ社会では婚約はほぼ結婚と同じで、解消するには離婚手続きが必要でした。そうなった場合には女性は「やもめのおとめ」と呼ばれます。聖霊によって身ごもったといえど、マリアとヨセフにとっては大事件で、予想だにしないことでした。当然、律法にもそぐわないことです。
ヨセフは正しい人、律法に従う人でしたので、離縁を考えます。おそらくヨセフにとっても「主イエス」を我が子として受け入れることには抵抗があったでしょう。
しかしヨセフは夢を通してお告げを聞きました。その心中には混乱や驚きがあったでしょう。そしてなにより受け入れがたい出来事でした。私達もそのような驚きや、逃げ出したいような出来事に遭遇します。
神さまを忘れ、離れたいと思うときすらあります。しかし神さまは、私達を忘れず、決して離しません。それこそが「主があなたと共におられる。」「インマヌエル」という事実なのです。神さまの臨在、神さまが共にいてくださるという、その言葉が現実となっていきます。
私たちもクリスマスを間近に控え、主イエスの誕生を祝おうとしています。約2000年前にこの地に来てくださった救い主の誕生をおぼえ、主を心に迎えましょう。
ハレルヤ!
片平貴宣牧師