『天国への途上』
ルカによる福音書24:28~35
弟子たちは、イエス様の無残な十字架の死によって、心も家の戸も閉じてしまいました。このままでは天国への途上ではなく、陰府へと歩みを向けてしまうところでした。
しかし、マグダラのマリアをはじめ婦人の弟子たちによって復活を告げ知らされ、とにかくペトロが墓を見に行くという一歩を踏み出すことができました(ヨハネ福音書20:8では「もう一人の弟子」も墓を見ています)。絶望の淵にあった弟子たちに一筋の光明が差し込んだのです。
さて、「二人の弟子」(一人はクレオパ、もう一人は無名です)が、エルサレムから約12Km離れたエマオという村へ向かって歩き出したとあります。その理由は一切記されていませんが、「さあ、イエス様の復活を告げ知らせに行こう!」との伝道のためでなかったことは確かです。
ただ、二人はイエス様の十字架の死と、婦人たちが「主は復活された」と言っていることについて「話し合い、論じ合っていた」とあり、全くの意気消沈、ひと言も話さずに一目散に逃避行、というわけでもなさそうです。
するとそこに復活のイエス様が二人の会話に加わり、歩みを共にされることになりました。クレオパは、ここ数日エレサレムであったイエス様にまつわる出来事を詳細に語り、最後には「『イエスは生きておられる』と言うのですよ!」と、当の御本人に話して聞かせました。
ついにイエス様は、「ああ、物分かりが悪く、心が鈍く預言者たちの言ったことすべてを信じられない者たち、メシアはこういう苦しみを受けて、栄光に入るはずだったのではないか。」と口火を切られ、二人よりも遙かに詳細に神の御子の受難と復活について「聖書全体にわたり」教えられたのでした。
二人の目的地であったエマオに近づきました。夕方になり、日が傾いていたので、二人はイエス様に同宿を懇願しました。宿の夕食にてイエス様は「最後の晩餐」を再現してくださいました。すると二人の目が開け、「この方はイエス様だ!」と分かりましたが、イエス様の御姿は「見えなくなってしまった」とあります。しかし、二人は、すぐにエルサレムに戻る決心をします。もう夜です。危険です。しかし、二人は、「あの方が聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか!」と語り合い、即座に出発したのでした。
失意に向かっていた歩みは、主に出会い、今は見えていないのに希望に満ちて、「復活の主を告げ知らせねば!」と力強く福音へと向かっていったのです。 ハレルヤ!
中島 聡牧師